気候変動の人為的要因に科学的コンセンサス

地球温暖化と気候変動に関する科学者による論文を新たに分析したところ、人間が主な原因であるとの意見でほぼ一致していることが分かった。

気候に関する査読済みの論文の包括的検証によると、最近の温暖化現象の大部分は人為起源、すなわち人間の活動の結果であるとする科学者たちの圧倒的なコンセンサスが示された。

現時点では最も包括的な今回の研究は、過去21年間に発表され最近の地球温暖化の原因に関して見解を示している論文の要約4000編を特定した。

研究結果によると、要約の97パーセントが同じ見解を共有していた。すなわち人為起源的な地球温暖化(AGW)が地球の平均気温上昇の原因とするコンセンサスを示しており、この結果は、今回よりも小規模の2004年の研究結果と驚くほど類似している。

今回の研究「Quantifying the consensus on anthropogenic global warming in the scientific literature (科学文献における人為起源的な地球温暖化に関するコンセンサスの定量化)」は、オーストラリアのクイーンズランド大学のジョン・クック氏が中心となり行ったもので、IOP(英国物理学会)出版局の学会誌『Environmental Research Letters(環境研究報告)』で発表された。

研究は要約の分析にとどまらず、各論文の執筆者たちに同一の評価基準を使って各自の論文全体を評価してもらった。評価されたのは2000編以上の論文で、最近の温暖化の原因について考察している論文の97パーセントが、温暖化の大部分は人間が引き起こしたものだとする主張を支持していた。

“私たちの研究結果は、市民の認識に反して、気候変動の原因に関する強力な科学的合意が存在することを証明しています。”

研究リーダー:ジョン・クック氏

研究結果は、多くのアメリカ人が抱く地球温暖化に関する見解と著しく対照的である。2012年の世論調査では、人間の活動が原因で地球が温暖化しているとの見解に科学者たちが圧倒的に賛成しているという事実を、半数以上のアメリカ人が認めないか、そのことを知らないことが明らかになった。

より最近では、エール大学の気候変動コミュニケーションに関するプロジェクトが、こうした考え方が根強くアメリカに広まっていることを示す証拠を明らかにした。

「私たちの研究結果は、市民の認識に反して、気候変動の原因に関する強力な科学的合意が存在することを証明しています」とクック氏は語った。

「実際のコンセンサスと市民の認識の間に、大きな隔たりがあります。コンセンサスを示す証拠があるにもかかわらず、人間が地球温暖化を引き起こしていると科学者たちが合意していると考える一般市民は、驚くべきことに半数以下なのです」

「この状況は重要な意味を帯びています。なぜなら、科学者たちが地球温暖化について合意していると人々が理解した場合、その問題への対処策を支持する可能性が高くなるからです」

2012年3月、研究者たちはウェブ・オブ・サイエンスのデータベースを使い、1991年から2011年までに発表された査読済みの学術論文を検索した。使用した検索ワードは「地球温暖化(global warming)」と「地球規模の気候変動(global climate change)」だった。

検索結果を査読済みの気候科学に絞り込んだ後、1980冊の学会誌に掲載された2万9083人の執筆者による1万1994編の論文が検証された。

対象となる論文の要約は、Skeptical Scienceのウェブサイトを通じて募集した24人のボランティアに、無作為に割り当てられた(同ウェブサイトのモットーは「地球温暖化の懐疑論に対して懐疑的になる」である)。

ボランティアは指定基準を使って、人間が地球温暖化の主な原因であるという考えを各要約がどの程度支持しているかを確定した。要約の分析はそれぞれ2人の評価者が、個別に無記名で行った。

1万1994編の論文のうち、32.6パーセントはAGWを是認しており、66.4パーセントはAGWに関する見解を示さず、0.7パーセントはAGWを否認していた。また、0.3パーセントの論文では執筆者が地球温暖化の原因は不明であると記していた。

アメリカの科学史学者ナオミ・オレスケス氏は2004年の研究で、1993年から2003年までに発表された「地球規模の気候変動」に関する査読済み論文の要約を調査した。彼女もウェブ・オブ・サイエンスのデータベースを利用し、査読済みの科学論文のみを対象とした。

彼女の調査では、過去50年にわたる地球温暖化は主に人間が原因であるとするコンセンサスを否認する論文は、1編も確認されなかった。調査された論文のうち、75パーセントはコンセンサスに同意していたが、25パーセントはいずれの見解にも言及していなかった。

“研究者らによれば、気候科学者たちの気候変動に関する認識段階について、一般市民を混乱させる目的で計画されたキャンペーンが存在すると言う。”

今回の研究の執筆者たちは、AGWに関する科学的合意の事実と、一般に広まった認識の間の「コンセンサスの差」について、科学者間で深い隔たりがあると記している。

彼らは「気候科学者たちの気候変動に関する認識段階について、一般市民を混乱させる目的で計画されたキャンペーン」が存在すると言う。「1991年、Western Fuels Association(西部燃料協会)は51万ドルを掛けたキャンペーンを行った。その主な目的は『地球温暖化を(事実ではなく)理論として改めて位置づける』ことであり……」

「メディアによる気候問題の扱いが、状況を悪化させている。メディアは反対意見にも同等の関心を寄せるのが通例であるため、声高な少数派の意見が増幅される……」

気候変動に関する科学的コンセンサスは存在しないと主張する人々と、喫煙は有害ではないと断言する人々を比較する批評家たちは、アメリカのたばこ会社重役が匿名で1969年に語った言葉を思い起こす。「疑いこそ我々の商品だ。なぜなら疑いは、一般大衆の頭の中に存在する『一連の事実』に対抗する最良の手段だからだ」

本研究を一般市民に公開するために必要な資金は、Skeptical Scienceのウェブサイトの訪問者たちによって集められた。

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本研究と共にスタートした新しいウェブサイト、The Consensus Projectをご覧ください。Skeptical Scienceのウェブサイトでボランティアが行う査読済みの市民科学が促進するプロジェクトです。

本稿は Climate News Networkで発表されたものです。

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