「気候キラー」銀行トップ20

環境問題への取り組みを大々的にうたってきたバークレイズ、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)、HSBCだが、これらは石炭部門に数十億ユーロもの資金を提供してきた銀行の上位にランクインすることが、最新の調査でわかった。

石炭産業への融資には異論が多い。石炭は化石燃料の中でも最大の汚染源であり、数十億トンの二酸化炭素、すす、水銀などを排出するからだ。

石炭採掘と石炭火力発電に融資してきた上位20社は、世界の名だたる銀行がずらりと勢ぞろいしている。アメリカの三大銀行、JPモルガン・チェース、シティグループ、バンク・オブ・アメリカも当然含まれる。この3社は2005年以降、石炭部門に最低でも420億ユーロを提供してきた。

ここ7年で巨大石炭会社に115億ユーロを融資したバークレイズは第5位、110億ユーロ近くを同時期に融資または調達したRBSは7位に挙がっている。HSBCは44億ユーロの融資額で20位に食い込んだ。

このリサーチは、ドイツの環境団体Urgewald、国際環境NGOのBankTrack、ヨハネスブルクのEarthlife AfricaなどいくつかのNGOが協力して行ったものである。専門家がこれらのデータを収集するには7カ月を要した。銀行側がそれらを公表していないからだ。多くの銀行は石炭部門にどれだけの金額を融資、調達したか、石炭部門にどれだけの株や資産を所有しているかを知らない。数字は巨大石炭採掘や石炭火力発電会社の公的報告書に基づいて出されたものであり、実際の金額はこれよりはるかに多いと思われる。

NGOはこれらの銀行を「気候キラー」と呼んでいる。彼らはここ10年の石炭業界拡大に貢献してきたからだ。トップ20に挙がった銀行の多くは、温室効果ガス削減や環境影響評価など環境問題への基本方針を掲げている。

Urgewaldのヘッファ・シュッキング氏は次のように語る。「この業界への資金供給について調査することにしたのは、石炭火力発電が人工的な二酸化炭素排出の最大要因であり、気候変動の主犯格だからです。気候変動が脆弱な社会に対し既に大きな影響を及ぼしているにもかかわらず、新しい石炭火力発電所の建設は数多く計画されています」

シュッキング氏は、これらの銀行の株主にも注意を喚起している。気候変動の脅威がますます強まり、国家の規制の下で温室効果ガスを制限する動きが活発になる中、汚染物質含有燃料への資金供給はリスクが高いからだ。

シュッキング氏はさらに指摘する。「銀行がこのような計画に資金を提供すれば、世界の気温上昇を2度以内(専門家が安全とする範囲内)に抑えようというあらゆる取り組みが無駄になります」

この数字は銀行による石炭会社への融資やエクイティファイナンス、その他にも債権発行や銀行が所有する石炭の資産(炭鉱や発電所など物理的な資産や石炭会社の株)などのファイナンスを総合したものだ。研究者らは、2005年から2011年9月までの、世界の石炭生産の44%、石炭火力発電の51%に該当する何社もの石炭会社の年間報告書を調査した。

いくつかの銀行はガーディアンに対し、石炭部門にいくら融資したかの記録はなく、また融資によって環境への取り組みに影響が出ることはないと語っている。

RBSは次のように語る。「2006年以降、RBSは他のどのエネルギー部門よりも風力プロジェクトに多くの額を融資してきました。社会全体が再生可能なエネルギーに転換する必要がある今、エネルギー生産に資金提供する銀行にもその必要があります。RBSは再生可能なエネルギーへの資金援助が世界で最も活発な銀行の1つであり、転換点を金融的に援助する最先端にいるのです」

しかしながら、フレンズ・オブ・ジ・アース・スコットランドの活動家メアリー・チャーチ氏はこう指摘する。「RBSに対する2008年の緊急援助措置以来、この恐るべき産業に投資されているのは納税者のお金なのです」

「気候キラー」銀行 トップ20

1.  JPモルガン・チェース
2.  シティバンク
3.  バンク・オブ・アメリカ
4.  モルガン・スタンレー
5. バークレイズ
6. ドイツ銀行
7. ロイヤルバンク・オブ・スコットランド
8. BNPパリバ
9. クレディ・スイス
10. UBS
11. ゴールドマン・サックス
12. 中国銀行
13. 中国工商銀行
14. クレディ・アグリコル/カリヨン
15. ウニクレディト/ HVB
16. 中国建設銀行
17. 三菱UFJフィナンシャル・グループ
18. ソシエテジェネラル
19. ウェルズ・ファーゴ
20. HSBC

データ:Profundo

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この記事は2011年11月30日にguardian.co.ukで公表したものです。

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