もみの木の下にエコ商品を

クリスマスも目前にせまると、クリスマス前に買い物を終えられるか不安な人も多いのではないだろうか。父方のおばのご主人の従兄弟の2番目の子には何を買おう…?

私たち国連大スタッフが東京で行われた12月の環境展示会、エコプロダクツ2010を訪れたのは、世界で約20億人がプレゼントを交換する日が間近に迫っているころだった。これから紹介するのが私たちの目を引いた商品だ。地元のお店で同じ商品を見つけるのは難しいかもしれないが、クリスマス直前の買い物にでかける皆さんやクリスマスの妖精たちに、少しはエコを意識していただければと願う。

変り種のネクタイ

男性の親族に、ネクタイほど最適なプレゼントはあるだろうか。時間と共にネクタイの形、スタイル、色、柄は変わってきた。だが、その素材にこれほど焦点が当てられたことはないだろう。シルク100%だの、シルクまがいだの、ポリエステルだのはどうでもよい。なんとバナナの木から高品質の繊維が生産できることをご存知だろうか。

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“いつの日かバナナが綿の代わりになりうるかもしれない。”

もちろんバナナの実は世界中で愛されているが、バナナの茎は不要だとして毎年10億トン以上が放棄されている。しかし、茎の外側は堅いのでテーブルウェアやバスケットに、内側の柔らかい繊維は着物のような素材に使用することができる。

バナナ繊維製品は、ほとんどが繊維を取り出す機械を使って生産されている。この機械には人の手も必要なため、バナナ繊維製品を買えば、バナナ農園の労働者だけではなく、途上国の地方にある小企業を支援することになる。また、綿を生産する場合の10分の1の水の量で済むという利点もある。現在はバナナの繊維のうち3%しか使用できないが、フルで利用できるようにできれば、バナナばやがて綿の代わりになりうるかもしれない。

ネクタイをこの会社で購入すれば、同時にカーボンオフセットに貢献することにもなる。バナナネクタイは1本60米ドル(5,000円)。

壁を飾る「ミドリエ」

緑の空間で新鮮な空気を胸いっぱい吸い込むのは最高に気持ちがいい。だが、多くの人々が住む狭いアパート空間では緑を取り入れることは意外と厄介だ。棚にスペースはないし、床にもとても置けない。

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“こういった壁掛け植栽なら、どこに住んでいる人にでも贈ることができる。”

では壁はどうだろう?日本の会社「ミドリエ」は狭い空間にも緑を取り入れられるよう、美しい壁掛け植栽のデザインを考案した。プレゼントのシーズンにふさわしいものとして、縦19センチ、横19センチのフレームがあり、クリスマス、お正月限定のデザインまである。

サントリー社(ミドリエの親会社)が開発した新素材「パフカル」を使った壁掛け用フレームは、土を使用しておらず、水が床に垂れないよう設計されている。以前こちらの記事で取り上げたグリーンルーフ同様、ミドリエの壁掛け植栽にも、空気を清浄にし、断熱する効果がある。また、空気中のベンゼンやホルムアルデヒドなど有害物質を除去し、新鮮な酸素を排出するため、シックハウス症候群の予防になる。

サイズは、天井から壁までの大きなものから、フォトフレームほどの小さなものまで様々だ。こういった壁掛け植栽なら、どこに住んでいる人にでも贈ることができる。小さなフレーム程度では、環境的に大きな効果はないだろうが、少なくとも贈られた側は部屋の装飾に関してよりグリーンな考え方をするようになるかもしれない。

ミドリエの商品の価格は60米ドル(5,000円)~。似たシステムの(ただし土を使用)カリフォルニアにある会社のウェブサイトもある。

環境を考えるカードゲーム

子ども用に最適だと思えるのは「地球カードゲーム マイアース」だ。慶応大学生が考案したもので、有名なポケモンカードと遊び方は似ているが環境への意識を高める工夫がほどこされている。あなたは地球を守れるのか、それとも破壊するのか?

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“カードゲーム マイアースでは絶滅の危機に瀕した生物を救ったプレイヤーに高いポイントが与えられる。”

このゲームは子どもが環境について学び考える非常によいきっかけを与えてくれる。例えば、戦略バトルでは「エアコンを『強』にする」というカードもあれば、対戦相手のカードには「公害を減らすため環境NPOの支援を受ける」というカードもある。このようにしてユーザーは日々の行動がいかに環境に影響を及ぼすかということを楽しく学べるのだ。

このゲームは男の子に大人気だ。ウェブには子どもユーザーの感想が載っている。「地球温暖化のカードはとても強いし点数が高いけど、実は温暖化は現実に起きていることなんだと知ってすごくびっくりした」

このカードゲームは日本の書店や、オンライン注文が可能だ。スタートパッケージは24米ドル(2000円)で買える。

普通の石鹸じゃない

石鹸はプレゼント用靴下に詰めるにもぴったりであり、女性受けする義理のプレゼントとしても最適だ。ボディケア製品のプレゼントをお考えなら、天然素材を使うだけではなく炭素排出を抑えた生産方法で作られた商品はいかがだろうか。

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“ポップキューブ石鹸は太陽光発電で生産されている。”

ポップキューブも「エコプロダクツ2010」に出展されていた。この石鹸は生分解可能なだけでなく、見た目もキュートで、香りや色の種類も豊富だ。これらは工場の屋根に設置されたソーラーパネルから得られる太陽エネルギーで生産されている。さらに、一般的な石鹸は100度以上に熱して作られるが、ポップキューブは40度という低温で鹸化するコールドプロセス法を使い、その後2ヶ月間熟成させる。ポップキューブは1本6.30米ドル(525円)。

マックス社は他に、化粧石鹸の製造過程で残った石鹸(年間100トン)を利用し、「まかない石鹸」として販売している。

グリーンなスクーター

今日では移動手段もエコなものがいくつもある。電気自動車、ハイブリッド車、3リットル車、圧縮ガスなどなどである。スーパーや市内を行き来する程度なら、スタイリッシュな電動スクーターはどうだろう。

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“アースクーターは家庭用のコンセントで充電することができる。”

「エコプロダクツ2010」で、私たちは大きな自動車会社の展示は素通りし、「楽しいアースクーター」という小さな製造会社の展示の前で立ち止まった。車椅子で知られるこの会社は、50ccのバイク相当のアースクーターを開発した。重量は52キロで時速は最速40キロ。約40キロ走行ごとに充電が必要となる。

電気自動車ではなく電動スクーターを選ぶ理由は?短距離しか移動しないのであれば(家から会社への往復など)スクーターは車の平均50~60%の電力で済む。また家庭用のコンセントで簡単に充電できるのも便利だ(多くの電気自動車は充電器が必要)。アースクーターは2240米ドル(187,950円)。

ポケットサイズのソーラーチャージャー

最新のiPhone G4やアンドロイド2.3の購入を検討中であれば、一緒にソーラーチャージャーも購入して環境への悪影響をオフセット(一部だけでも)してみてはいかがだろう。ソーラーチャージャーは小さく、キーホルダー型になっているので、常に持ち歩ける。このチャージャーで一度に20時間の充電ができ、それは30~40分の通話分(機種による)の電力である。プラグにもいくつかの種類があるのでどんな機種でも接続が可能だ。

“ソーラーチャージャー。エコではあるが、環境への貢献度はそう高くない。”

ただし、吸収した太陽光をエネルギーに変え、携帯電話に充電するためにバッテリーが必要なのが惜しい。だが、その内臓バッテリーでLEDが点灯できるので、暗闇で玄関の鍵穴を探すときには手元を照らしてくれて便利だ。環境問題に多大な貢献ができるとは思えないが、小さくスマートなアクセサリといえるだろう。23.60米ドル(1,980円)。

ホリデーの買い物リストを順に消していくときに、これら小さな製品を思い出し、環境に優しくあるためにはどうしたらよいか考えていただけたらと思う。包装紙にはリサイクル用紙や読み終えた雑誌を使って最後まで気を抜かないように。そして持続可能な方法で管理されているクリスマスツリーの下でお祝いしよう。誰に何を贈る場合でも、温かい心とグリーンマインドはお忘れなく。

翻訳:石原明子

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もみの木の下にエコ商品を by シュテファン・シュミト and 西倉 めぐみ is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 3.0 Unported License.

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著者

シュテファン・シュミトは 来日前にはヨーロッパのデジタルエージェンシーネットワークのひとつでプロジェクトマネージャーとして働いていた。現在彼はハインツ・ニクスドルフ財団が主催する将来のドイツ人実業家養成のためのアジア太平洋プログラムに参加している。デジタル文化に興味があり、国連大学のOffice of Communicationsで知識を共有することを喜ばしく思っている。ドイツ ワイマールのバウハウス大学卒業。

彼女の人生目標は、メディアの影響力を用いて、個々人がポジティブで持続可能な世界を築くための選択をするよう啓発することにある。2003年から、地球規模の問題についてのドキュメンタリー映画製作に携わっている。

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  • Midori Takeda

    筆者は、昨年12月に東京で開催された環境展示会、エコプロダクツ2010から、環境にやさしい上に、デザイン性や利便性が高く、クリスマスの贈り物にぴったりな商品を紹介し、プレゼントを選ぶ際には、贈る相手への思いやりと共に、環境への思いやりも持ってほしいと願っている。
    3日間に亘って開催されたエコプロダクツ2010(http://eco-pro.com/eco2010/index.html)の来場者数は183,140人に昇り、市場のエコ商品に対する関心の高さが窺える。しかし、筆者が願うように、消費者は環境に対する意識を消費行動に移せているだろうか。
    消費者がエコ商品を買うかどうかの判断基準は、価格によるところが大きく、エコ商品よりも他の商品が安ければそちらをカゴに入れる主婦が多いように思う。那覇市がまとめた、2008年「スーパーでの環境にやさしい買い物紹介ツアー」参加者へのアンケート結果でも、「毎回エコ商品を買うわけではない理由」として「ほかと比較して価格が高いから」が1位に挙がっている。(琉球新報2009/4/18 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-143353-storytopic-1.html)さらに、トランスコスモスが行った、消費者の「エコに関する購買動向調査」(http://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/101012.html)によれば、消費者が実際に購入したいエコ商品は、エコな上に節約に繋がる商品である。つまり、消費者は、エコ商品を購入する基準として、自身の生活における具体的な利点を重要視しているのだ。
    このように、消費者はエコ商品に低価格やメリットを求め、環境負荷の低さやそれを実現しようとする企業努力を評価しておらず、環境に配慮した消費活動に積極的とは言い難い。
    エコプロダクツ2010に見られるように、地球温暖化を脱する手段の一つとして、企業が試行錯誤を重ねて完成させたエコ商品は多種多様に揃っており、次は私たちがそれらを利用したエコライフを実践する番ではないか。従って、商品の何を評価してお金を払うのかをもう一度考え直し、財布や家計にやさしいだけでなく、地球にやさしい製品を選びたいものだ。