竹製自転車に乗って持続可能な発展へ

交通渋滞が急増するガーナは、経済成長が著しく、都市部と農村部の格差が激しい。こうした状況の国にとって、竹で自転車のフレームを作ることは持続可能な開発を促進する鍵となり得る。しかも、竹製の自転車は丈夫で長持ちする。

このように話してくれたのは、Bamboo Bikes Initiative(バンブー・バイクス・イニシアティブ)事務局長のバーニス・ダパー氏だ。この団体はガーナの若者たちに、フレームが竹で作られた自転車の製造方法や修理方法、販売について指導している。

「私たちが目指しているのは、女性と子供と若者の社会的地位の向上です。そして、このプロジェクトは炭素排出量を削減し、交通渋滞の緩和に貢献できます。つまり、竹製の自転車を使うことは気候変動の抑制方法でもあるのです」と、ダパー氏はインタープレス・サービス(IPS)とのインタビューで語った。

バンブー・バイクス・イニシアティブは、アクラに拠点を置くAfrica Items Co Ltd(アフリカ・アイテムズ社)の経営者であるイブラヒム・ジャン・ニャンポン氏と共同で活動している。竹製のフレームは海外では1台350ドルで販売される。製作費だけで200ドル近くが掛かるが、ニャンポン氏(バンブー・バイクス・イニシアティブの技術指導者でもある)は訓練中の若者たちに、労働賃金としてさらに30ドルを支払う。

ニャンポン氏は、竹製のフレームがカーボンファイバーや金属製のフレームよりも技術的に優れている点を幾つか説明してくれた。

「金属製のフレームよりも長持ちするのです」と彼は言った。「竹製の自転車は壊れないんですよ。耐久性に非常に優れています」

ニャンポン氏は、ドイツで行われた品質管理試験で竹製のフレームは金属製フレームよりも10倍軽いことが証明されたと言い、耐荷力の高さにも言及した。実際、竹の抗張力(引っ張られた時に耐えられる極限の強さ)は、鋼鉄よりもずっと高い。

竹は繊維が多いので、衝撃を吸収しやすい。振動の伝達を抑える働きがあるため、鋼鉄製やチタン製のスプリングは不要だ。

「竹は割れたり害虫が付いたりしないように加工処理されているので、非常に頑丈です」とニャンポン氏は説明した。

彼によると、材料となる竹は3~6カ月間、加工処理される。その後、雨やその他のダメージを防ぐために透明ラッカーを塗るそうだ。

これらの特性によって、竹製フレームの国際的な市場性は高まり、オーストリアのBambooRide(バンブーライド)社がヨーロッパでの販売用に竹製フレームを輸入し始めた。

「当初、私たちはフレームを(ニャンポン氏)と共同で開発していました。フレームが良質だったからです。しかしヨーロッパの規格に適合させる必要がありました」とバンブーライド社の販売部長、マティアス・シュミット氏は語った。

「ですから両方向に知識を移転する、パートナーシップのような関係を築いたのです」と彼はIPSに語った。

さらにオーストリアの輸入業者は、ニャンポン氏のチームに新しい器具を提供した。例えば、ニャンポン氏のチームは精度を上げて誤差を少なくするジグという装置を初めて手に入れた。

現在、バンブーライド社は月に最大10フレームを輸入しており、シュミット氏はこのプログラムがますます拡大することを楽しみにしていると語った。

「彼らが製造できる台数には限りがあります……私たちがもっと多くのフレームを必要とした場合……他の製作者から仕入れなければならなくなります。ですから、器具や技術を向上させようとするダパー氏の取り組みを支援しているのです」と彼は言った。

環境の持続可能性を確保する

自転車のフレームを金属ではなく竹で作ることは、製造者だけでなく、環境にとっても、幾つかの利点がある。

ダパー氏によれば、材料となる竹が地元で手に入りやすいということは、製造者が高額な輸入費を負担せずに済む上に、材料の輸入過程での輸送から生じる炭素排出をなくすことができる。

さらに竹はオーガニックでリサイクル可能な素材である。そして金属の材料とは違って、切り出しや製造過程で高いレベルのエネルギーを必要としない。

「竹製の自転車は環境に優しいのです……なぜなら気候変動とも戦えるからです」とダパー氏は説明した。

また彼女は、このプログラムは生態学的持続可能性も追求していると話した。農村部の竹林業者たちと協力し、新しい竹を収穫し、既存の竹を守る活動をしているという。

「1本の竹を切ったら、少なくとも3本か5本の竹を必ず植えることにしています」と彼女は語った。

さらに、竹製の自転車フレームは、自動車や化石燃料に代わる持続可能な交通手段を促進する。

ガーナの環境保護庁の地域担当者であるアイザック・オセイ氏によれば、この点が重要だという。

「ガーナの自動車台数は全体的に増加しています。そして自動車が増えれば、それに付随して環境問題も起こるのです」と彼はIPSに語った。

ガーナでは1000人に30台の割合で自動車が存在する。Driver and Vehicle Licensing Authority(運転免許交付局)では毎日、さらに数百台が登録されている。データによると、ガーナの国民1人当たりの国内総生産(GDP)成長は記録的なレベルに達しているため、自動車の所有台数は上昇し続けると示唆される。2011年のガーナの国民1人当たりのGDPは402.3ドルで、西アフリカ諸国の中で最高だった。

オセイ氏は、二酸化炭素の排出や未舗装道路のちり粒子から生じる汚染など、自動車の利用増加が及ぼす有害な影響について言及した。

「自動車ではなく自転車を利用するように実際に人々を教育することは、ガーナにとっても世界全体にとっても、よいことだと思います」と彼は言った。

若者を就労させ、技術的スキルを身につけさせることにより、このプログラムは失業を低減し、結果的に農村部での貧困削減を目指す。

「今までのところ、約10人の男の子たちを訓練しました」とニャンポン氏は言う。「彼らは自転車を作ることはできますが、十分な品質レベルには達していません。ですからまだ訓練中なのです」

またバンブー・バイクス・イニシアティブは、訓練を終えた若者たちが自分の作業場を持ち、さらに多くの若者を訓練できるように支援する予定だ。

バンブー・バイクス・イニシアティブは、2009年クリントン・グローバル・イニシアティブ・アワードを受賞し、2010年には国連環境計画のSEED賞7を受賞した。さらにリオデジャネイロで6月に開催された2012年地球サミットで、World Business and Development Award(ワールド・ビジネス・アンド・デヴェロプメント賞)を授与され、海外からの注目を集めた。

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この記事は2012年8月23日にInter Press Service Newsで公表されたものです。

翻訳:髙﨑文子

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著者

ポーシャ・クロウ氏はフリーランスのジャーナリストであり、インタープレス・サービス通信社のアフリカ特派員である。

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