ソーラー・ガーデン:低所得層にも手の届くクリーンエネルギー

Our World 2.0「では、すべての人のための持続可能エネルギーの重要性について何度も取り上げてきました。そして多くの記事で、既存の電力供給網を利用できない地域や、急増する電力需要を抱えながら急速に発展している国々に暮らす人々にクリーンエネルギーを提供することに注目しています。しかし豊かな国であっても、社会経済的状況が望みをかなえてくれるよりも早くグリーンなエネルギーを利用したいと望む人は大勢います。こうした状況を踏まえ、今回は世界中の恵まれないコミュニティで実を結ぶかもしれないモデルに関する記事を読者の皆さんにお届けします。」

誰でもクリーンエネルギーを享受する資格がある。とりわけ、恵まれないコミュニティに暮らす人々は利用できて当然である。収入の低いアメリカ人は、気候変動のネガティブな作用に影響を受けやすい。すでに多くの人々が都市の汚染や極端な天候事象による長期間の停電、大気を汚す石炭発電所に他の人と比べて不均等なほど近くに暮らしていることから被る健康被害に悩まされている。こうした状況から、低所得層のアメリカ人のためのクリーンエネルギーの確保は、経済の問題であるだけではなく、正義の問題でもある。

貧困に暮らす人々のほとんどは、持ち家というアメリカンドリームを実現することができないため、彼らの多くは手頃な値段の一軒家あるいは集合住宅を借りざるを得ない。アメリカ住宅・都市開発省は、アメリカで賃貸住居に暮らす4000万世帯以上の世帯のうち、4世帯に1世帯近くが極度の低所得層であることを報告している。さらに、アメリカ保健・福祉省は、低所得層の世帯は住居用のエネルギー費に収入の16.4パーセントを費やしているのに対し、平均的世帯はわずか7.2パーセントであることを明らかにしている。こうした世帯は圧倒的に、高齢者、障害者、マイノリティー、退役軍人、女性を世帯主とする世帯が多い。住居を借りる人の人数は増加傾向にあり、貧しい世帯はエネルギー価格の高騰に過剰な負担を強いられている状況を踏まえ、私たちは手頃な価格の分散型電力資源へのアクセスを拡大しなくてはならない。

その1つの方法が、コミュニティ・ソーラー・ガーデン(CSG)プログラムの利用を拡大することだ。CSGとは共同で所有する太陽光発電施設のことで、地域の電力会社に電力を売り、投資した人々の住居用電気代が控除されるという仕組みだ。CSGは規模の経済を通してより安価なエネルギーを供給できる上に、屋根の上に太陽光パネルを設置する必要がない。そのため賃貸住宅居住者にとっては価値ある選択肢である。

コロラド州はCSGを率先して取り入れ、土台として優れたモデルを提供している。2010年、Colorado Community Solar Gardens Act (CCSGA、コロラド州コミュニティ・ソーラー・ガーデン法)が成立し、コロラド州はCSGを許可する数少ない州の1つとなった。さまざまな研究は、CCSGAは他の州での立法化のお手本となったことを示唆している。CCSGAはソーラー技術の利用を激増させたからだ。最も重要な点は、コロラドの法令が、太陽光設備から生産される電力を少量しか購入することができない低所得層の投資家向けに、5パーセントの電力枠を割り当てていることである。その結果、低所得層の投資家は最低10ドルから電力を購入することができ、4~5枚のソーラーパネルを購入しなくてもよいのだ。

全国にCSGを普及させるためには、電力会社と規制委員会の協力が必要である。州政府や公共事業委員会は電力会社と協力し、それぞれの権限の範囲においてコミュニティ・ソーラー・ガーデンのための公正な基準作りに努め、コロラドを模範として活用すべきである。さらに、連邦政府は太陽光発電を促進する連邦法上のインセンティブをCSGにまで拡大するように努めるべきだ。

連邦政府レベルでCSGを支援するために、マーク・ユードル上院議員(コロラド州選出の民主党員)は、2013年Solar Uniting Neighborhoods (SUN) Act(地域をつなげるソーラー法案)を議会に提出した。この法案は太陽光発電に対する30パーセントの連邦投資税控除をCSGにも適用するというものだ。法案が成立すれば、地方の電力会社や農村部の電力協同組合のような非課税組織が、それぞれの管轄区内でCSGに投資している居住者に税制控除を供与できるようになる。コミュニティはクリーンエネルギーを支援するインセンティブを得るばかりではなく、エネルギー費の重い負担から解放されるようになる。

ユードル議員のSUN法案は、全国的なCSGプログラムの促進に向けての素晴らしい第一歩だ。次なるステップは、コミュニティにおける太陽光発電のためのCLEAN Contracts(Clean Local Energy Accessible Now Contracts、地域でクリーンエネルギーを今、利用可能にする協定)を促進することである。十分な税法上の義務なしには、低所得層のアメリカ人が太陽光発電に対する投資税控除(ITC)の恩恵を富裕層の電力購入者と同程度に受けることはできない。CLEAN協定は、固定価格買い取り制度に類似した制度で、誰もが同等の恩恵を太陽光発電のインセンティブから享受できる。電力会社は地方自治体と協力し、各権限の範囲内でこうしたプログラムを立ち上げるべきである。

あらゆる政府レベルの公務員が(民間電力会社と共に)上記のようなスマートで利用可能な解決策を促進すれば、低所得層のアメリカ人もクリーンエネルギーを利用できるようになるのだ。

本稿は、 Climate Progress より許可を得て掲載しています。

翻訳:髙﨑文子

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著者

ブライアン・ルイス氏は、Center for American Progress における 再生可能エネルギーのファイナンス部門でのインターンである。

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