ポスト2015年の開発目標にあなたの声を

2015年末、すなわち国連のミレニアム開発目標(MDGs)のクライマックスまで残すところ約1,000日となった。MDGsとは、持続可能な環境、母子の健康、貧困の緩和、教育、ジェンダーの平等、HIV/AIDSの削減を目指して2000年に設定された目標である。さて、現時点でこれらの目標はどの程度達成されたのだろうか?

最新のMDGsの成績表では、大きな進展があったことが高らかに謳い上げられている。実際に「安全な飲料水が手に入らない人の数を半減させる」というような目標は、期限よりはるか前に達成されている。しかし、「基礎的な衛生施設が利用できるようにする」(これは先に挙げた目標の後半部分である)などの目標については、達成からほど遠く、測定方法によっては予想よりさらに遅れていることが危惧される。

2012年のMDGs報告の序文において、潘基文国連事務総長は次のように明言したが、慎重な姿勢は崩さなかった。「これらの結果から、人々の苦痛が大幅に軽減されたことは明らかで、MDGsに盛り込まれたアプローチが有効だったことは一目瞭然だ。しかし、だからといって気を緩めてよいわけではない」

たしかに、2015年以降を見据えて新たな目標の設定が呼びかけられている中で、今は、これまで成果を上げたことを明確にして、それらを強化するとともに、停滞している部分についてもあらためて検討すべき時期である。

昨年のリオ+20会議において、国連加盟国はMDGsに関する現在の状況および今後のあり方について集中的に議論を行った。その結果、会議の成果文書「我々の望む未来」には、現在の開発目標を踏まえ、さらに発展させるものとして、ポスト2015年の持続可能な開発目標(SDGs)を設定する計画が示された。その取り組みにおいて重視されているのは「すべてのステークホルダーに開かれた、包括的で透明性の高い政府間プロセス」とすることである。

これは、あなたや私にとって、どのような意味を持つのだろうか?それは、私たちの声が反映されるということだ。

私の世界は私たちの世界

「包括的で透明性が高い」プロセスの一環として、国連は最近、MY World(マイワールド)キャンペーンを開始した。この方法により、国連とポスト2015年開発目標に関する事務総長のハイレベルパネルは世界中の市民から直に声を聞き、一般の人々にとって何が最も重要か、つまりポスト2015年のSDGsにおいて焦点を合わせるべき課題は何かを探り出そうとしている。

MY Worldはより良い世界に向けた国連の世論調査で、個々の投票者は16項目のうち、自らの生活に最も影響が大きい6項目を選ぶことになっている。これらの16項目は「広範な分析および意見収集」によって抽出されたものだが、投票者は独自の項目を付け加えることもできる。MY World投票の結果はパネルの審議にかけられ、それから最終的な報告書が国連事務総長に提出されることになっている

myworld-jp

MY World調査は現在、オンラインで7つの国連公用語、すなわち英語、スペイン語、韓国語、フランス語、アラビア語、ロシア語、中国語により行われている(提供言語は今後さらに増える予定である)。匿名調査だが、データ解析のために性別、年齢、住んでいる国だけは聞かれる。さらに、世界でもインターネットが利用できる地域は限られているため、投票は電話(SMSを利用するか、通話無料の番号に電話をかける)もしくは紙ベースでも行うことができる。後者の場合は草の根組織、宗教コミュニティ、青年会、民間組織、NGOパートナーから構成されるグローバルネットワークが取りまとめを行う。

MY Worldは、ポスト2015年開発目標策定のプロセスに関わるための入口を一般市民に提供するほか、2012年7月に設立されたウェブ上の公開討論会場、The World We Want(我々が望む世界)に投票者を誘導することも目的としている。国連と市民社会のパートナーが共同で推進するこの空間では、市民やステークホルダーがポスト2015年開発目標に向けて、より幅広く、より活発なやりとりのある議論に参加している様子が見て取れる。

登録および参加に一切制限はなく、誰でもガバナンス、水、人口動態、エネルギーなどの問題について学び、意見を述べることができる。また、The World We Wantのプロセスには、ハイレベルパネル、国やテーマ別の50以上の協議、コミュニティ基盤の議論、世界をオンラインで結ぶ会話などの場を創設することも含まれている。これらはいずれも2015年以降のThe World We Wantのビジョンの構築に貢献するものである。

このような類のグローバル規模の会話を奨励するのは、「メガターゲット」を掲げるだけではおそらく完璧なソリューションにならないという事実に向き合う良い方法だ。国連大学に属する2人の著者が近いうちにOur World 2.0で記事を発表してくれるはずだが、それによると、私たちのシステム化された世界観から生まれた国際コミュニティは、がんじがらめな管理の下で開発を進めようとすることがよくある。そこでは能力が育成され、知識は統制され、日々の活動は目標や指標、戦略的なゴールを達成することを軸に行われる。

クリストファー・ドール氏とロバート・ブラシアック氏は次のように述べて、私たちをはっとさせてくれる。「しかし、これらのすべてにおいて欠けている声が1つある。それは当の人々の声だ」

これまでに190ヵ国から75,000人以上が自分たちにとって重要なことを声にしている。皆さんも是非、MY Worldで投票して (前進の印を残していただきたい)

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MY WorldのイニシアチブはUNDP、国連ミレニアムキャンペーン、海外開発研究所、ワールド・ワイド・ウェブ財団が世界のパートナーの支援を得ながら共同で推進しています。

翻訳:ユニカルインターナショナル

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ポスト2015年の開発目標にあなたの声を by ダニエル・パウエル&キャロル・スミス is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 3.0 Unported License.

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著者

ダニエル・パウエルは国連大学メディアセンターのエディター兼ライターであり、Our World 2.0担当エディターに名を連ねている。東京の国連大学に加わる前は8年間、東南アジアを拠点に過ごし、農業、生物多様性、水、市民社会、移住など、幅広いトピックを網羅する開発・研究プロジェクトに携わっていた。最近では、USAID(米国国際開発庁)がカンボジア、ラオス、ベトナムの田園地帯で行った水と衛生に関するプログラムにおいて、コミュニケーション・マネジャーを務めた。アジアで活動する前は、米国林野局に生物学者として勤務、森林の菌類学および地衣学の研究を行っていた。

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