グローバル・サウスから来た若きリーダー達

先日、グローバル・サウスから来日した若きリーダー達に、気候変動・ピークオイル(石油資源量には限界があり、いずれ世界の石油生産量が減っていくという考え方)・食料安全保障等の緊急課題に関するOur World 2.0主催のインタビューを行なった。

ネパール、ルワンダ、エジプト、ブルキナファソ等の、危機にさらされてはいるが国際メディアの報道が度々抑えられ、国際機関や国際会議では発言権がない国々の人達の意見を聞く良い機会となった。

東京で開かれた国連大学国際コース(UNU-IC)参加者の内12人にインタビューを行なった際、彼らも自身の経験や斬新な視点を共有したいと熱望していた。

国連大学国際コースはまさに人種のるつぼであり、明日を担うリーダーがユニークな国際的環境に集い、地球規模の課題や持続可能な解決法を分析・議論する場である。今年は世界中の応募者の中から、40カ国を代表する51人の優れた大学院生や若手の学者らが選ばれた。

東京の国連大学本部に招かれた参加者はお互いから学び合うだけでなく、前国連大学上級副学長ラメシュ・タクール教授を含む世界的に著名な講師陣による講義も受けた。

今日の緊急課題に取り組む明日のリーダー達

インタビュー対象者は彼らの世代が取り組まなければならない地球温暖化問題に大きな関心を示していた。地球上の最貧国の1つであるルワンダ出身の平和構築コーディネーターのアリスは、気候変動が母国の不安定なコミュニティだけでなく地球にとっても深刻な事態にあると考える。

「気候変動は全人類の問題です。先進国も発展途上国も、豊かな人にも貧しい人にも関わる問題です」彼女はこう答えた。

インタビューを通して分かったことは、明日のリーダー達は今日のリーダー達に対して、日々の生活の中で変化を起こすために我々にできること・すべきことに関して真摯に話し合う方法を示すことができるということだ。

「肉食から菜食への大きな転換が重要だと考えます」と開発専門家のシッダルタ(インド出身)は指摘する。 シッダルタは牛肉のウォーターフットプリント(ウォーターフットプリントとは、食料等の輸入に伴って輸出国で実際に消費された水資源量のこと)が相対的に大きい点を引用した。

同じくインド出身の大学院生ラウールはインドがどのように再生可能エネルギー分野で先導的な役割を担っているかを以下のように語った。「母国が世界初の新・再生可能エネルギー省を設立したことを誇りに思います」

彼らはインドが行なう取り組みについて熱心に語ったが、一方でインド政府にエネルギー危機へのより良い対応策を積極的に提言している。

「石油に依存している各国は、石油部門に集中するだけでなく経済を多様化する努力をすればよいと思います」リサーチ・アシスタントのソロモン(ナイジェリア出身)は指摘する。

一致団結しなければ全てが無駄になる

昨今の複雑な問題は国や分野といった単純な枠組を超えている。ルワンダ出身のアリスが指摘するように持続可能な解決策には「多次元的なアプローチ」が必要である。

それゆえに参加者の多くが自分の専門分野以外の知識を広めるために国連大学国際コースに自主的に応募したことは適切な選択だろう。機械工学士のナスル(エジプト出身)もそんな一人だ。

「政治学と社会学をもっと学ぶ必要があります。何故なら環境への取り組みは政治学と社会学を考慮して行なわなければならないからです」と彼は言う。

将来世界の指針となる価値観は何かと尋ねた時に、彼らが既に未来世代のことを考えていることを知り我々は感銘を受けた。

「子供や若者の教育は重要です。彼らは未来を担う世代であり、未来の環境から人類友好まで全ての問題に対処する責任があります」と研究技師のキャロル(ブルキナファソ出身)は語る。

未来への道標

全員が教育の重要性を強調したが、世界を変えるための誓いの根拠となる哲学にはそれぞれ異なった文化的背景がある。

将来有望な政治学者エマニエル(リベリア出身)はアフリカのウブントゥという価値観を引用する。それは全ての人間の存在は結びついているという信仰だ。

「私達が互いに結びつき必要としていることを知れば互いにより協力できるのです。何故なら私達は生活そして存在の面で互いを必要としていることを知っているからです。これが私の信条です」

ラウールは彼が尊敬する20世紀の世界的偉人マハトマ・ガンジーの言葉を引用する。「自然は皆が必要なものを与えることができるが、皆が欲するものは与えることはできない」

将来彼らが政府内で重要な地位を占め、または信じる理念のために指導的役割を担い努力する中で再会したとしても我々は驚かないだろう。国連大学国際コースで親交を深める中で、彼らは包括的かつ共同的な世界戦略のみが真の変化を起こすことができることを理解している。

フィリピン・オゾン・デスク職員のデニスは語る。「これらの問題から私が1つ学んだことは、解決策はあるということです。我々人類が協力して取り組むことができればこれらの問題は解決できます」

デニス、エマニエル、ラウールそして他の参加者のインタビューを通して、未来は現在よりも安全なのかもしれないと感じた。

About the authors

マーク ノタラス

マーク・ノタラスは国連大学メディア・スタジオのライター兼編集者であり、国連大学サステイナビリティと平和研究所(UNU-ISP)の研究員。オーストラリア国立大学にて、国際情勢を学び(平和学専攻)MA取得。以前はオーストラリアの国際開発局(AusAID)にて、ベトナム開発事業に従事していた。ウェブ2.0ツールを国際協力の目的に利用することに情熱を持つ。そして社会的・環境的不平等に取り組むため互いに協力し合おうと、世界の若者たちに呼びかける。

めぐみ 西倉

彼女の人生目標は、メディアの影響力を用いて、個々人がポジティブで持続可能な世界を築くための選択をするよう啓発することにある。2003年から、地球規模の問題についてのドキュメンタリー映画製作に携わっている。
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