国際家族デーを記念して、サポートと幸福を公平に分かち合うために家族を再設計する画期的なアイデアを掲載します。
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スカートの丈と同じように、親業のあり方は時代と共に変化する。同様に「母親」「父親」「子供」という役割の定義も変わる。かつて、家庭を切り盛りしていたのはお母さんで、その労働分担を誰も疑問に思わなかった。現在、多くの母親はフルタイムやパートタイムで働いており、親たちは「家事戦争」に突入した。やらなければならない家事をやり遂げるために誰が一番貢献したのかをめぐって口論になるのだ。昔、子供は面倒を見る対象であって、意見を聞く対象ではなかった。今では、世界の多くの地域で、子供たちはあまりにも注目され、耳を傾けられているため、親たちは自分自身や夫婦のための時間をほとんど持てない。
これは「Dear Family Whisperer(家族を上手にあやしてくれる人へ)」という相談コラムを担当するメリンダ・ブラウ氏の見解だ。15冊の著書を持つブラウ氏は、時代後れで恐らく機能していないモデルに代わる、より健全な選択肢を提案する。それが分かち合える家族だ。これは家族の意味を再検討する試みであり、家族全員(お母さんだけではない)に家庭を「切り盛りする」責任があると考える。「父親」「娘」「息子」であることは、「母親」であることと同じくらい重要なのだ。
分かち合える家族になるにはどうしたらいいか? 部分ではなく全体を見ることから始めよう、とブラウ氏は言う。トップダウン型の伝統的なヒエラルキーをむやみに受け入れるのではなく、相互関係を活用する。つまり、大人と子供がお互いに与え、お互いから学ぶという家族を目指すのだ。そうするためには、「私たち、家族」をデザインするために役立つ、たった4つの約束をすることが必要だとブラウ氏は言う。
ブラウ氏が提案する「私たち、家族」の約束が個人の協力し合う能力を高めてくれることを理解するのは難しくない。さらに、この考え方は家族に限定されたものではない。両親を亡くしていたり、兄弟姉妹がいなかったりする人にとっては、家族以外の社会単位に容易に応用することが可能だ。「分かち合える」という考え方を学び、そうすることで高まる幸せを体験すれば、結果的に家族以外の社会的絆がより強固になる可能性が高い。相互に結びついている感覚や相互的責任感を高めることは、持続可能な世界を創造するために個人が各自の役割を理解する鍵になり得る。
翻訳:髙﨑文子
分かち合える家族ばんざい:公平な幸福のためのレシピ by キャロル・スミス is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 4.0 International License.
Based on a work at Shareable.