有毒なe-wasteが貧困国に投棄されている:国連の警告

クリスマスに購入された膨大な数の携帯電話、ノート型パソコン、タブレット、玩具、デジタルカメラ、その他の電子製品は、開発途上諸国に違法投棄されている危険な「E-waste(電気電子機器の廃棄物)」として大量に放出される運命だと、国連が警告した。

世界的に増え続けるE-waste問題に取り組むために設立された国連の電子廃棄物問題を解決するイニシアチブ(StEP)によると、世界の電子廃棄物の量は今後4年間に33%増加すると予測されており、その量はエジプトのピラミッド8個分に相当する。昨年、世界では5000万トン近いE-wasteが排出された。世界人口1人当たりでは、およそ7キロとなる。E-wasteとなった電子製品は何百もの異なる原材料から作られており、鉛、水銀、カドミウム、ヒ素、難燃物など有毒物質が含まれる。例えば、旧式のブラウン管モニターには3キロもの鉛が含まれている。

埋め立て地に廃棄された有毒物質は環境に染み出ていき、土壌、水、空気を汚染する。また、電子製品は粗雑なやり方で分解されることが多い。廃棄現場で働く人々は度重なる体の不調に苦しむ。

先週、国際刑事警察機構(インターポール)は、開発途上諸国に輸送されているE-wasteの状況を明らかにした。各国の担当官による検査を経てEUから搬出されるコンテナのおよそ3つに1つに、違法なE-wasteが含まれていた。犯罪捜査が40社に対して開始された。「クリスマスには世界中で売上と廃棄物の量が急増するでしょう」とStEP事務局長のルーディガー・キュール氏は語る。「非常に多くの技術革新のおかげでE-wasteの爆発的増加が生じているのです。テレビや携帯電話やコンピューターの買い換えは、どんどん速くなっています。製品寿命も短くなってきています」

StEPの報告書によると、E-waste(古い冷蔵庫からおもちゃ、電動歯ブラシまでが含まれる)は現在、世界で最も急増している廃棄物だ。昨年、中国は1110万トンのE-wasteを排出した。次に多かったのはアメリカの1000万トンだが、国民1人当たりの量には著しい差があった。例えば、アメリカ人1人当たりの平均は29.5キロだったのに対し、中国人1人当たりの平均は5キロに満たなかった。

2017年には、耐用年数を経たテレビ、電話機、コンピューター、モニター、電子玩具、その他の製品の量は、40トントラックを2万4140キロメートル並べた分に相当するようになると、キュール氏は予測している。ヨーロッパでは、ドイツのE-waste排出総量が最も多いが、国民1人当たりではノルウェーとリヒテンシュタインの方が多い。イギリスは現在、世界7位の排出国で、排出総量は137万トン、国民1人当たりでは約21キロだ。E-wasteの輸出量に関する情報は、政府や産業界から得られていない。

再利用あるいは修理調整できる廃棄物なら、貧困国に輸出することは合法である。しかし多くの廃棄物は虚偽表示の下でアフリカやアジアに送られているとインターポールは報告している。「実際には機能しない物品なのに、多くの物が『中古品』と虚偽の分類がされています。合法的なリサイクルに伴う経費を回避するために、廃棄物はしばしば闇市場に流され、中古品として偽装されます」とスポークスマンが語った。「E-wasteの大部分が、西アフリカ諸国を含む、ヨーロッパ以外の国に送られます。そうした国での処理は非公式部門で行われるため、著しい環境汚染や国民への健康リスクを生じるのです」と彼は語った。

この問題の大きさをほとんどの国が理解していないのは、すべてのE-wasteの追跡記録が行われていないためだと、欧州環境機関は語る。同機関の推計では、25万トン~130万トンの使用済み電気製品が毎年EUから外国に輸送されており、そのほとんどが西アフリカ諸国とアジアに送られている。「こうした物品はその後、危険で非効率的な状況で処理されることもあり、現地の人々の健康を害したり、環境を損なったりします」とスポークスマンは語った。

マサチューセッツ工科大学による新しい研究によると、2010年にアメリカで廃棄された2億5820万台のコンピューター、モニター、テレビ、携帯電話のうち、リサイクルされたものはわずか66%だったことが示唆されている。回収された1億2000万台近くの携帯電話のほとんどは、香港、ラテンアメリカ、カリブ諸国に輸送された。携帯電話の貯蔵寿命は現在2年に満たないが、EU、アメリカ、日本の各政府によると、年に何億台もの携帯電話が廃棄されるか放置されたままになっている。アメリカでは、2011年に1億2000万台の携帯電話が購入されたにもかかわらず、リサイクルのために回収されたのはわずか1200万台だった。一方で、携帯電話の新型モデルが競って市場に登場するため、古いモデルは埋め立て地に追いやられている。ほとんどの携帯電話には貴金属が含まれている。回路基板には銅、金、亜鉛、ベリリウム、タンタルが含まれているし、コーティングは大抵、鉛で作られている。携帯電話のメーカーはリチウムバッテリーを使う傾向にある。しかし、分解されて再利用される携帯電話は10%未満だ。問題の一端は、コンピューターや電話機などの機器がますます複雑になり、部品がさらに小型化していることである。

また、リサイクルできなければ、次世代が電子機器を作るための希土類鉱物が不足する事態につながる。

翻訳:髙﨑文子

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著者

ジョン・ヴィダル氏は英紙「ガーディアン」の環境部門の編集者である。フランス通信社(AFP)、ノースウェールズ新聞社、カンバーランド・ニュース新聞社を経て、1995年にガーディアンに入社。「マック名誉毀損:バーガー文化体験 (1998)」の著者であり、湾岸戦争、新たなヨーロッパ、開発などをテーマとする書籍に寄稿している。

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