新デザインに生まれ変わった Our World 日本語版

2014年02月26日 ブレンダン・バレット ロイヤルメルボルン工科大学

あなたはグローバルな出来事に関心がありますか?国連の活動に賛同しますか?世界のオピニオンリーダーの専門的な視点から書かれた記事を読んでみたいと思いますか?

その答えがひとつでもイエスなら、新しくデザインのリニューアルされた、数々の受賞歴をもつ国連大学のウェブマガジンOur Worldは、ぜひあなたのブックマークに加えるべきでしょう。

Our Worldは2008年7月4日から主に環境をテーマに始動し、気候変動、エネルギー、食料安全保障、生物多様性などの問題へとその裾野を広げてきました。 最初の記事が掲載されてから現在にいたるまで、国連大学本部のホスト国を含むオンラインコミュニティを育てるべく完全な日英バイリンガルで発行しています。

過去6年の間に、700を超える記事の発行と65のビデオ作品を制作してきました。熱心な読者層の支持を集め、累計購読数は150万を超えました。

そして今、新しくデザインがリニューアルされたOur Worldの日本語版が英語版に続きスタートすることを、私たちチームはたいへん誇りに思います。

新しいOur Worldに期待することは?

今回の再始動でエキサイティングなことのひとつに、国連が使命として掲げる緊急性の高い地球規模問題の解決への取組みがあげられます。

こうして平和と安全保障、開発と社会、人権と人道問題を含めウェブマガジンのテーマを広げてきました。また、読者のアンケートから、関心の高さがうかがえた科学や技術のトピックスも加えました。

将来的には、国連大学の研究コミュニティからの記事を(持続可能性分野のみならず)増やし、その分野の世界の専門家からの寄稿記事も載せたいと思っています。

また、国連の定義による地球規模の問題に基づいた新規のキーワードを追加しました。これは「国連とその関連機関が憂慮する緊急性のある地球規模の人間の生存や開発と福祉の問題の研究に取り組む」という国連大学憲章に沿うものです。

この新しい手法によって、より幅広い読者に訴えかけることができると確信しており、こうした問題に対する客観的で先入観のない分析や洞察をお届けすることで、今日の出来事に皆さんが足並みを揃えていくのに役に立つものと考えています。

新しいデザインに一新したウェブマガジンは、よりフレキシブルな構造になり、過去のすべての記事、ビデオ、フォトエッセイなどのリッチなコンテンツにも、読者の皆さんがモバイルコンピューターや端末などから簡単にアクセスできるようになりました。

Our Worldの執筆者はどんな人たち?

掲載記事の60パーセント近くは国連大学の研究をカバーしており、私たちはこれを誇りとし持続させたいと考えています。また大変喜ばしいことに、すばらしいオピニオンリーダーたちの記事を取り上げることができました。ほんの数名を挙げるだけでも、ニコラス・スターン卿、ラジェンドラ・パチャウリ氏、レスター・ブラウン氏、ナオミ・クライン氏、エイモリー・ロビンス氏、ビル・マッキベン氏、ジェレミー・リフキン氏、グレッチェン・デイリー氏、ジェイムズ・ハンセン氏、ジョージ・モンビオット氏、といった顔ぶれです。

寄稿された記事の多くは、英ガーディアン紙、ドイチェ・ヴェレ(ドイツの国際放送)、インター・プレスなどを含む私たちのメディア・パートナーシップを通じてOur World に掲載されました。こうしたパートナーシップを今後も積み重ね、また増やしていきたいと望んでいます。

Our World の寄稿者をご覧頂くと、世界中の大学機関からの多くの学者がOur World に記事を書いているのがお分かりいただけると思います。また私たちは大変多くのジャーナリスト(フリーランス、主要メディアともに)とも共同で紙面づくりをしています。寄稿者の皆さんには深い感謝の意をささげるとともに、今後ますます多くの記事が寄せられることを心待ちにしています。

Our World をフォローする理由

世界中で2008年に金融危機に起因したさまざまな大問題に直面しており、世界経済はいまだに停滞気味のままです。

ミレニアム開発目標においては、貧困、飢餓、子どもの死亡率といった問題、HIV/エイズやマラリア、その他の疾病の撲滅、妊産婦の健康増進、すべての子どもへの普遍的な教育の普及、女性の社会的地位の向上などの取り組みに甚大な影響がありました。そして私たちはまだ、すべての人にとって世界がより公平で、より安全で、より健康な場所と確信できるまでの長い長い道のりの途中にあるのです。

同時に、中東の緊張状態や、国連と国際社会に対し苦痛を与えるその他の地域をも注視しています。

私たちは、こうした世界の差し迫った問題に取り組むにあたって必要な知識を、誰も独占することはできないと信じています。その代わりに、話し合いや平和的な対話の促進、そして「学問および研究の世界的共同体内における活発な相互作用(国連大学憲章の引用による)」の場を作ることなどが必要なのです。

Our World は、質の高さと、今日のグローバル社会の懸案事項について専門家の意見や分析の独立したソースを持っていることから、大きな貢献ができるものと自負しています。

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著者

ブレンダン・バレット

ロイヤルメルボルン工科大学

ブレンダン・バレットは、東京にある国連大学サステイナビリティ高等研究所の客員研究員であり、ロイヤルメルボルン工科大学 (RMIT) の特別研究員である。民間部門、大学・研究機関、国際機関での職歴がある。ウェブと情報テクノロジーを駆使し、環境と人間安全保障の問題に関する情報伝達や講義、また研究をおこなっている。RMITに加わる前は、国連機関である国連環境計画と国連大学で、約20年にわたり勤務した。